産業医面談は医療行為ではない
「産業医面談って、診察してもらえるんですか?」
「薬を出してもらえないんですか?」
産業医面談について、こうした誤解を持たれている方は少なくありません。
結論から言うと、産業医面談は医療行為ではありません。
本記事では、産業医面談と診療の違い、産業医ができること・できないことを解説します。
産業医面談と診療の違い
| 項目 | 産業医面談 | 診療(病院・クリニック) |
|---|---|---|
| 目的 | 就業上の配慮に関する意見 | 診断・治療 |
| 行為 | 問診・状況確認・意見書作成 | 診察・検査・処方・処置 |
| 成果物 | 産業医意見書 | 診断書・処方箋 |
| 費用負担 | 企業負担 | 本人負担(保険適用) |
| 医療行為 | 行わない | 行う |
産業医面談でできること
✅ 労働者の健康状態を確認する(問診・状況確認)
✅ 就業上の配慮について意見を述べる
✅ 企業に対して是正を勧告する
✅ 復職可否について意見を述べる
✅ 主治医との連携について助言する
産業医面談でできないこと
❌ 診断を下す(「あなたはうつ病です」とは言えない)
❌ 薬を処方する
❌ 治療を行う
❌ 診断書を発行する(産業医意見書は発行可能)
❌ 傷病手当金の意見書を書く(主治医の領域)
なぜ「医療行為ではない」のか
産業医は、医師免許を持っています。しかし、産業医としての業務は「医療」ではなく「労働衛生」の領域です。
産業医の役割は、労働者の健康と安全を守るために、企業に対して意見を述べることです。
労働者を「患者」として扱うのではなく、「労働者」として、働き続けられるよう支援するのが産業医の仕事です。
従業員への説明例
産業医面談の前に、従業員に以下のような説明をしておくと、誤解が減ります。
「産業医面談は、診察ではありません。お薬を出したり、診断をしたりすることはできません。今の体調や仕事の状況をお聞きして、必要であれば会社に『残業を減らした方がいい』などの意見を出すのが産業医の役割です。治療が必要な場合は、主治医の先生にご相談ください。」
まとめ
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 産業医面談で診察してもらえる | 産業医面談は診察ではない |
| 産業医に薬を出してもらえる | 薬の処方はできない |
| 産業医が診断書を書いてくれる | 診断書は主治医の領域 |
| 産業医面談は医療行為 | 産業医面談は医療行為ではない |
産業医面談の目的は、働き続けられるよう支援すること。
診断・治療は主治医、就業上の配慮は産業医、という役割分担を理解しておきましょう。
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